2021.03.31 メディア掲載情報

ULTRA LENS開発ストーリーを公開

 見たい部分をより強調できる高視認性レンズ『ULTRA LENS(ウルトラ レンズ)』開発のストーリーがPR TIMES STORYに公開されました。

■PR TIMES STORY掲載
『眩しさ対策から、選手に情報を与えるサングラスへ
アスリートの悩みを解決することで生まれた”サングラス”の進化』

※表題をクリックするとPR TIMES STORYウェブサイトへジャンプします。

「サングラス=暗くする」だけではないという発想のスタート
『Tショットで打ったボールが(飛距離があるので)眼で追いきれない。 サングラスで見えやすくすることはできないか?』
ULTRA LENS開発のきっかけはプロゴルファー石川遼選手がふと口にした言葉でした。
 
 それまで、アスリートが競技の際にサングラスを使用する理由は、眩しさを防ぐことで競技中の疲れやストレスを軽減することや、風・雨・飛来物などから眼を護る、目線を隠すことで駆け引きを優位にするためなど、どちらかといえば『護る』ことを目的としていました。
 しかし、石川プロは『ボールの落下地点が確実に分かれば、いち早く次の戦術を考えやすくなる。だからボールをしっかりと見たい。』と、サングラスに『攻める』機能も求めていました。
 
 山本光学では強いレーザー光から眼を護るための保護メガネの開発や製造などで『レンズで光をコントロールする技術』を長年培ってきました。人々の眼を護ることで培った光コントロール技術をスポーツ分野に応用することで、『対象物をはっきりと見せる技術』に繋げられるのではないか?石川プロの言葉を聞き、色彩や色の見え方を研究する近畿大学生物理工学部・片山一郎教授に相談。産学共同で『ゴルフボールをはっきりと見えやすくするレンズ』の開発がスタートすることとなりました。
 
 開発がスタートすると、サポート担当者、開発担当者はチームとなって幾度となく石川プロの練習ラウンドに足を運んでテストを重ねていきました。その中で、ボールの白い色を強調してはっきりと見せるだけでは、不自然な視界色で眼が疲れやすくなってしまうことがわかりました。視認性の高さと眼への負担の少なさとのバランスが重要だという結論に達し、ボールの見えやすさを保ちつつ、18ホールのラウンド時間を通して着用できるような自然な視界の色のゴルフ用レンズ『ULTRA LENS for GOLF(※1)』が生まれました。 ※1)発売当初の名称はアイスブルーレンズ名称
 

 石川プロからは『このレンズを着用すると景色やボールがハイビジョンになったようにはっきりと見える。よく見えることは精神的な落ち着きにもつながるので、気分を落ち着かせて集中したいときにも着用するメリットがある。』との声を頂きました。
これが、ULTRA LENSが「護るだけでなく攻める。眩しさを抑えるサングラスから、見たいものをよりはっきりと見せるアイウェア」に進化した始まりです。
 
 ULTRA LENS for GOLFは2012年より市販サングラスに搭載され、多くのお客様に性能を体感いただいたことはもちろん、よりはっきりと見せることでパフォーマンスを高めるという考え方を他の競技や用途にも広げるきっかけともなりました。
 
 
アスリートの要望に応えて対象カテゴリーを拡大
 ゴルフ用レンズで培われた技術を次に活用した競技は『アーチェリー』です。

2015年に片山教授より近畿大学体育会洋弓部所属の古川高晴選手をご紹介いただき、「70m先のターゲットを見えやすくすることで競技への集中を高めるレンズ」の共同開発を開始しました(※2)。アーチェリーで使用するターゲット中心の『黄色・赤色』部分のコントラストを上げてはっきりと見せることで狙いを定めやすくすることに成功。さらに古川選手の「レンズ外面は鏡のように光を反射するミラー加工で目線を隠せること」、「日陰に入った際にも着脱する必要がない明るさであること」という要望を実現するべく現在も開発を継続しています。 (※2)古川選手が使用するレンズの一般販売はしておりません。
 
 その後も悪天候下でも雪面の凹凸を見えやすくしたULTRA LENS for SNOW(2016年~)、バスフィッシングにおいて水中の魚影や地形を見えやすくしたULTRA LENS for FISHING(2018年~)など、使用環境に合わせて視認性を高めたレンズの開発・発売を続けて参りました。
 
 2020年に発売されたULTRA LENSシリーズ最新作、野球用『ULTRALENS for BASEBALL』 はゴールデングラブ賞を3回獲得する守備の名手・源田壮亮選手と共に開発。
 
 レンズテストの際、源田選手からはボールがはっきり見えやすくなることはもちろん、視界が暗くなりすぎない点について強く要望をいただきました。暗すぎるレンズではゴロの処理時、自分自身の陰にボールが入ると瞬間的にボールが見えにくくなります。そして、一瞬でも暗さを感じると判断が遅れ、捕球動作の遅れにつながってしまいます。 一方で「フライ捕球のため上空を見上げる」、「逆光の中投手から放たれるボールを打撃する」など、しっかりと眩しさを抑える必要のある場面も存在していたのです。時に相反する要求事項を含む、野球の様々なシチュエーションを想定し、同じく白いボールを追うゴルフ用レンズ開発の経験も活かすことで「ボールがはっきりと見えやすく、眩しさを抑えながらも暗くなりすぎないレンズ」が生まれました。
 
 
 さらには競技やスポーツという枠を超え、『日常の運転をより安全に』するために運転中に注意するべき路面の状況や警告標識、前走車のブレーキランプをはっきりと見えやすくしたULTRA LENS for DRIVING(2019年~)へと展開を拡大していきました。
 
 
 
『現場主義』の開発体制が生み出すユーザーファーストのものづくり
いずれのレンズ開発においても、きっかけはアスリートの方々と当社のサポート担当スタッフが現場で交わした『こんなものがもっと見えればいいのに』という言葉がきっかけでした。 ふとした会話からアイデアが生まれ、検討が始まり、テスト、開発へとつながっていきます。

 ではどのように開発は進むのか?レンズ作りはカレー作りに例えることがあります。
様々なスパイスを調合して味を作り出すように、光の波長(色)をコントロールする材料の種類・分量を細かく組み合わせることで見たいものをよりはっきりと見える視界(レンズ)を作り出します。
 開発はトライ&エラーの連続。選手にテストしていただき、評価を聞き、次の試験品に反映し、再びテスト。さらに天候や条件を変えてテスト。1つのレンズ開発にあたっては20種類以上のレンズテストを行うこともあります。
選手から頂く評価コメントは視界という名の味です。明確なスパイスの分量の指示はありません。そのため次のテストレンズを作るために開発担当者は、選手の言葉を紐解き、どのスパイスをどれだけ使うか、レシピを作る必要があるのです。
 
 最適なレシピを作り出すために、山本光学の製品開発は『現場主義』をモットーとしています。開発担当者は必ずテストの現場に足を運び、選手と直接コミュニケーションをとります。微妙なニュアンスや条件などを人づてではなくダイレクトに聞く・感じることで、齟齬なくスピーディーに次のテスト品開発へと反映することができるからです。
 さらには開発者だけでなくマーケティング担当者もテストに参加します。選手の言葉は最高のセールストークにも繋がるのです。

 様々な部署・職種の担当者がチームとなって参加することで、開発スピードと効果を最大化する。集まった開発チームに共通するのは『アスリート(ユーザー)ファースト』の思いです。これは開発・製造・販売をすべて一気通貫して自社で行える体制が生みだした山本光学の強みだと思います。
 開発には苦労や壁が幾度となく現れますが、協力していただいたアスリートの方々の「結果」につながり、ユーザーの方から「使ってよかった」という言葉をいただくたびに、次の開発への原動力になると感じています。

 山本光学は今後もアスリートやスポーツ愛好者の方へより快適な視界の提供を目指すべく開発を続けていきます。